こんにちは、さんだ@再受験医学生 (@sanda_igaku) です。
前回は「偏差値が高い大学ほど、22歳未満に比して22歳以上の合格率は低い」ということを示しました。
今回は、「面接」について検証したいと思います。「面接が点数化されないところって怖い」の様な声はたまに聞きますし、僕も悩みましたので...。
もちろん、なんとなくの感想で終わるのではなく、きちんと統計を用います。ただし、特定の大学の再受験差別や、面接一発落ちの可能性を否定することはできませんのでご注意ください。
今回は面接による影響を考えたいので検証に当たって、一つだけ条件を仮定したいと思います。それは、「22歳以上の成績は、22歳以下の成績と同様に分布する」ことです。面接の影響以外は無視しているとお考え下さい。
面接点数化の有無の一覧
下が面接点数ありか、なしかで分類したものになります。おおよそ半分がずつなのですね。
要綱を見てみると、「面接点数化はなし」としていても、但し書きに「面接が合格点に達しないものは不合格とする」「面接により不適格と判断された場合は不合格とする」など書いています。こんなん書かれたら躊躇するに決まってる...。
でも、面接点数化ありだと、堂々と0点つけられる不安もぬぐえないです。結局どうすればいいんや...。
結果!!
というわけで解析しました。
今回もめんどくさい方法はとばして結果を先に公表します。細かい統計手法は、おまけで載せるので興味がある方はぜひ。
まず、合格率比の平均と標準偏差は↓
若干、点数化なしの方が低い気もしますが
気になる結果は、
点数化なし群と点数化あり群で、22歳以上の合格率比の差がないことを否定できない
でした。
つまり、ちょっと言い方を変えると
点数化ありでもなしでもあんまり変わらん!!
という結果です。
一応、ちゃんとした値を出すと
点数化あり (平均)0.563 (標準偏差)0.215
点数化なし (平均)0.506 (標準偏差)0.228
p値 0.379
です。このp値が0.05より小さいと統計学的に差があるといえるのですが、今回は偶然の範囲を出ず、差がないことを否定しきれないよってことですね。
考察
今回の検証で、「面接点数化と22歳以上合格率比は関係がない」ことがわかりました。
これは、「点数化されないって、年齢のせいで何されるか分からないから怖い」(もしくはその逆)という不安を消す結果ではないのでしょうか。だって、点数化されても合格率比は変わらないのですから。
かといって、この結果が「面接一発落ちがない」ことを示すわけではありません。あくまで一般化した議論をしていますので、最終的には各大学によるとしか言えません。
厳密にいえば、仮定が正しくない可能性もありますけど、その影響を調べるのは無理でしょうし、調べることができたとしても変わらない結果となるでしょう。データの年度を重ねて考察するとより質の高いものができますけど、これ以上は得られませんし。
また、平均をとると6%違うわけですが、それこそ大学によりますし、統計学的な差ではないですし、あまり意味のある値ではないと思います。
結論として、この結果をもってますます「受けたいところを受けよう」ということができると思います。
次回はセンター配点と合格率比の検証でもしましょうかね。
Twitterで質問箱を設置してますので、何かありましたらお気楽にどうぞ。
(10/1追記)
センター配点と合格率比の検証をやろうと思っていましたが、前期後期で配点が違う大学がある一方で、合格者を前期後期で区別して集計できないため検証が不可能であることに気づきました。よってお蔵入りです。
おまけ~統計解析方法~
前回と同じく、EZRというソフトを使って解析しています。
データはヒストグラムと検定により、正規分布であることを確認しました(p = 0.72 > 0.05)。
今回は「2群間(あり群vsなし群)の比較、正規性あり」なので、スチューデントのT検定を用いました。結果は上記の通りになります。
統計は大変そうで苦手な感じでしたけど、簡単なデータでも実際に扱ってみるとその苦手意識が薄くなりますね。がんばって自分で色んなデータを扱えるようになりたいです。