こんにちは、さんだです。
今日はポッキーの日ですね。忘れられがちなプリッツのこともたまには思い出してあげてください。ちなみに僕はロースト味が好き。
今回は、たまに質問をもらう「なぜ、理学療法士から医師になろうと思ったのか」について真面目に書いてみようと思います。あんまり自分のことは書いてきてませんでしたが、フォロワーさんも増えてきて、自己紹介的な意味合いも兼ねて。これは僕が「どのような医師になりたいか」にも直結していますね。略歴はこちらの記事にあります。
ちなみに、患者さんとのエピソードはそもそも具体的なことは載せてませんが、いろいろと変えております。
もともと医師になりたかったわけでも、理学療法士の仕事が嫌になったわけではない
最初にこれを言っておきたいです。前職を言うと「もともと医師になりたかったの?」のような質問は何回か受けます。でも、高校3年時には全く医師になりたいと思ってませんでした。
それは、周りに医学部に行く人がいない(少ないではなく、いない)というのもあったけど、あんまり興味を持てなかったっていうのが大きいかなと思います。医師の働く場所はクリニックしか見たことなかったし、身近に入院や通院を必要とする人もいなかったし。
僕はずっとスポーツをやっていて、人がどうやって動くのかに興味がありました。当時から「どういう風に生きるのか」みたいなことは考えていたので、それも含めて理学療法士になろうと思ったわけです。研究にも携わりたかったので、そういう大学を選びました。
結局、大学院にはいかなかったけど、理学療法士の仕事はとても面白いものでした。医師が「疾患の治療」を行い、我々が「障害へのアプローチ」を行う。生活や人となりの影響が大きいので、それを聞くのも好きでしたし、自職種にしかできないためやりがいもありました。あと5回くらい人生があったら一回は理学療法士やると思うよ。
ある患者さんのこと
職場は若干くそみたいな場所だったけど、同僚にも恵まれ、いい上司も少しだけいて、それなりに楽しい日々を過ごしていたわけですよ。そんなときに、ある患者さんと会います。
その患者さんは治療目的でA科で入院し、入院直後から僕はリハビリテーションで介入していました。ですが、治療後に合併症が出て別のB科の介入があり、リハビリは一時中断の指示が出ました。
カルテをちらちらと見ながら、看護師さんに話を聞いて、リハビリ再開のことを尋ねると、リハ医は「主治医かB科の先生に聞いて」と、主治医(A科)は「今は合併症があるからB科の先生に聞いて」と、B科の先生は「主治医はA科だからうちにはうちにはなんとも」と、3人とも「よそに聞いて」みたいな感じでした。看護指示も同じような感じだったらしく、合併症の治療が終わってもなかなか何もできません。板挟みになって患者さんが不利益を被ってしまったんです。
急性期病院であったため、各科ともに専門的な治療はしっかりなされてます。ですけど、これでは患者さんは家に帰れないわけです。専門的であることはいいのだけど、それでいいのかという気持ちがありました。
理学療法士というのは「医師の指示を受けて」動く職なので、先生をつつくことしかできず。すごく差を感じた経験でした。そんで思ったわけですよ「自分が医師だったらどうしたか」って。
内からでてきた何か
この患者さんの件で、「治療が進まないと、もしくは進んでも何もできないことがある」ことを強く感じてしまったわけです。もしかすると、これ以前にも感じてたのかもしれませんけど。自分は障害にアプローチするのが好きで、活動や生き方に関わりたいと思ってこの職を選んだのに、それが病気の治療というものを前にするととてもちっぽけなものに感じてしまったんです。
すると日々の業務をしっかりやって患者さんの何かが改善しても「疾患の治療がうまくいってるだけじゃない?」と思うことも出てきました。決して手を抜いているわけではないんですけど、自分の介入にどこか自信を持てないこともありました。
まぁでも、日々を繰り返すと「やっぱり活動と生き方って大事じゃん」って思いは戻ってきまして。結局、病態を把握しきれてないからこうなるのであって「病気と治療についてもっと学びたい」という思いになりました。
どうしようと考えた僕の答えは二つ。一つは理学療法士として学ぶこと。もう一つは、自分が医師になることです。
職場を変えるにしても、医師になるにしてもそんなに早く決断できるほど強くないし、多少なりともここまでかけた時間なども惜しかったので判断は保留にして、理学療法士として働いていたわけです。
理学療法士として腕をあげるか、医師になるか
そんな中、別の患者さんと退院後の運動とか生活のこととかについて話していると「そんなこと、初めて聞いたわ~」と言われることがありました。入院前の外来のカルテには「運動指導」みたいなことは書いてあったんですけど、どうやら具体的なものは聞いてなかったご様子。
そこで「外来でのフォローが上手くいってれば、ここまでひどくならずに良かったんじゃね」と思ってしまったわけですよ。二次予防をしっかりできていれば、手術や透析は減るかもしれない。
運動のことは一般の医師よりも理学療法士の方が知ってる部分があるし、身動きもとりやすい。管理栄養士も栄養に関して同じ。そういう多職種で早期から予防的に介入できたらいいんではと。
「あぁ、そういうチームに入りたいなぁ」
残念ながらそういうチームはないし、僕の働いていた病院は小回りが効く病院ではない。他の病院でそういうのやってるとも聞いたことはないし、そもそも診療報酬的に病院の中に設置できるのかも不明。でも、将来きっと予防への流れは来ると思っていたので、その将来のことを考えます。
「チームができたら入れてもらえるように成長しておこう」
そう思ってましたけど、そんなチームいつできるかわからない。じゃぁ作る?ペーペーの理学療法士の自分が?無理無理。力がなさすぎる。せめて一緒に動く医師がいる...あれ?自分が医師になって作ったらいいんじゃね?
「病態や治療について学びたい」という思いもあり、それに対して予防からアプローチができるようになりたい、そしてもともと抱いていた活動や生き方にもっと深く関わりたいというのが重なって、医師になることを本気で思うようになりました。
そこから、どういう風になったのかは次回で。
Twitterでは質問箱を置いてますんで、なんでもお待ちしておりますのでお気軽にどうぞ。