再受験、医学生そしてパパに

理学療法士から医学部を再受験した人のブログ。国立大学医学科6年。在学中に結婚し、娘も生まれました。

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日本学生支援機構の奨学金について正しく知ってほしい

こんにちは、さんだです。

 

前回の記事

 

www.sanda-igaku.com

 

 これ書いてて思ったんですけど、日本学生支援機構の奨学金ってすごく叩かれてるんですよ。たぶん、叩いてるのは「制度を知らない人」で誤解や思い込みがあるようです。なので、今回は正しく知ってもらうために、日本学生支援機構の奨学金について書いていきたいと思います。

 

 最初に言っておきたいのですけど、僕は奨学金を借りていますが、機構との関係は何もありません。奨学金の貸与を推奨するつもりもありません。

 

 ただ不当なネガキャンが目につきすぎます。「奨学金じゃなくて学生ローンに名前変えろ」はまだ良いとしても、「もはやサラ金だな」とか何をもって言ってるんだろうか。

 

 でね、今は高校生もTwitterとかやるわけです。こういう不当なネガキャン見て、奨学金を悪い制度だと思い込んでしまって、奨学金を借りたらできた何かをあきらめてしまう学生も出てくるかもしれないですよね。それを少なくするために僕はこの記事を書く。

 

 情報は独立行政法人日本学生支援機構 - JASSOから。基本的に参照ページはその都度リンクを貼っているので、全部根拠があることを書きます。


(1/12追記)

僕は「日本の奨学金制度は改善すべき」という議論と「現在日本で利用できるもののなかで、日本学生支援機構の奨学金はどういう位置付けなのか」という議論は分けてするべきだと考えており、今回の記事では後者について話したいと思います。

 

 

 

金利は銀行よりも安い

 前回の記事でも書いたんだけど

 

www.sanda-igaku.com

 

 日本学生支援機構の奨学金の金利は他の銀行ローンより安いんですよ。そもそも無金利や給付もありますし。

 

 平成19年4月以降に奨学生に採用された方の利率 - JASSOから今年度の年利を少し例に挙げると、日本学生支援機構の第2種奨学金は0.2~0.3%、国の教育ローンは1.7%、銀行ローンは場所に寄るけどだいたい2~4%。ちなみに消費者金融は3.0~18.0%。単に「利子付けて貸してる」事実だけをみて「サラ金」とか言ってしまうのはナンセンスであるとわかりますね。

 

 また、奨学金は基準さえ満たせば一定の金額の貸与を受けることができます。対して、ローンは審査を経て支払い能力に応じた金額を受け取ります。収入が低い人ほど、銀行からは借りにくいんですね。

 

 あと、奨学金を借りると個人信用情報機関に登録されると思われている方も多いかもしれません。銀行などのローンは貸与時に個人信用情報機関に登録されますが、日本学生支援機構の奨学金では延滞3か月以降で登録されます。つまり延滞しなければ登録されません。

 

 銀行ローンと比較すると、奨学金は利用しやすいと言えるのではないでしょうか。

 

 

機構は利息によって利益を得ていない

 大事なことだからもう一回言います。

 

 日本学生支援機構は第2種奨学金返還の利息によって利益を得ていません

 

 日本学生支援機構が独立行政法人だからか「利息は懐に入るのか」みたいなこと言う人もよく見かけるけど、そんなことないんです。詳細ページ第二種奨学金に係る利率算定方法の選択制の導入について - JASSOをまとめて簡単に言いますね。

 

 第2種奨学金の返還時の利息は、第2奨学金を貸与するために国から借り入れた財政融資資金を償還する時の利率と同率に設定されています。

 

 つまり、奨学生が払った利息は全額、日本学生支援機構を通って国に入るわけです。「利息で儲けている」も根拠のない妄想だということがわかりますね。

 

 

無金利奨学金貸与者も増えている

 上で利息が儲けではないことを書いたんですけど、そもそも無金利の奨学生も増えてるんです。ここに表があったので引用。

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 この期間の中でも第一種(無利子)奨学金が増えているのは分かるんだけど、さらに平成29年度の入学者から成績優秀の基準を撤廃して、基準を満たすすべての希望者に第一種(無利子)奨学金が貸与されてるんですね。だから今はもっと増えてるはずです。

 

 成績に自信がなくても、金がなくても、お金を無利子で借りて大学に行ける可能性があるって素晴らしいと思いませんか?

 

 

給付奨学金制度が始まっている

 「奨学金っていうなら給付しろよ」ってのをよく聞きます。奨学金=給付っていう概念が正しいのかは置いておいて、平成29年度から日本学生支援機構では給付奨学金制度が始まっています。詳細ページ奨学金の制度(給付型) - JASSOから軽く載せると

 

 対象は↓

 ・住民税非課税世帯又は生活保護受給世帯の人であって、十分に満足できる高い学習成績を収めている人
 ・社会的養護を必要とする人(18歳時点で児童養護施設等に入所していた人、又は里親等のもとで養育されていた人)

 

 金額は私立か国立か、自宅通学か自宅外通学かで異なりますが、月額2~3万円です。もちろん第1種、第2種との併用申し込みが可能です。

 

 平成30年度には18,566人が給付奨学生として採用されています。

 

 条件は確かに厳しいけど、能力がある人がこういうのを知らずに経済的なものだけを理由に何かを諦めるのは勿体ない!まじでもっと広まれ。

 

 

延滞者は増えてない

 ネガキャンする人はあたかも多くの学生が延滞してるように言うんだけど、実際に返還できずに延滞してしまってる人は平成21年度から減ってるんですよ。割合としては10年以上で減少してるんです。図は同じくこちらから。

 

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 つまり、Twitterなどを通して返還できない人が目立つようになっただけなんです。多くの人はちゃんと返せてるんです。かといって、返還できない人を叩くのは間違いだからね。

 

 

返還免除制度もある

 全員にじゃないですけど、返還が免除される制度もちゃんとあるんです。大きく分けると2つで「特に優れた業績による返還免除」と「地方公共団体の返還支援制度」です。

 

特に優れた業績による返還免除

 大学院で第一種奨学金の貸与を受けた者を対象としています。評価される業績としては、学問分野での顕著な成果や発明・発見のほか、専攻分野に関する文化・芸術・スポーツにおけるめざましい活躍、ボランティア等での顕著な社会貢献などです。

詳細ページ特に優れた業績による返還免除 - JASSO

 

 平成29年度は26,022人が第1種奨学金の貸与を終了し、全額免除が2,587人、半額免除が5,172人です。3割以上の大学院の第一種奨学生が何かしらの免除を受けているんですね。

 

地方公共団体の返還支援制度

 厳密には日本学生支援機構によるものではないんだけど、「うちの県で働くのなら、奨学金の返還を支援(一部負担)しますよ」という制度。対象は自治体によって様々です。業種や期間を指定する自治体もあるけど、「卒業後は地元に帰りたいな」と思っている人などにはいい話ですね。詳細ページ2.地方公共団体の返還支援制度 - JASSO

 

 例を貼っておきますね。

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返還困難時のセーフティーネットもある

 「返還する気はあるんだけど、事情があって無理なんだよ」という方のために、セーフティーネットもあります。僕も以前仕事を辞めた際には利用しました。自分で申し込まないと適応されないので、希望する際は機構に連絡が必要です。

 

 ・減額返還制度:毎月の返還額(大体は月1.5万円程度)を1/2もしくは1/3に減額できる制度。総返還額はもちろん変わりませんが、「卒業したばかりで給与が少ない」「転職して給与が減った」などの場合に有効でしょう。最大180ヵ月適応されます。詳細ページ減額返還 - JASSO

 

 ・返還期限猶予:災害、傷病、経済困難、失業などの返還困難な事情が生じた場合は、返還期限の猶予を利用できる制度。こちらももちろん総返還額は変わりませんが、最大120ヵ月の猶予を受けることができます。詳細ページ返還期限猶予 - JASSO

 

 ・死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除:死亡や障害により支払い能力がなくなった場合、基本的に負債は相続されるし、連帯保証人などを立てていた場合はそちらに請求がいくんですけど、事情によっては返還が免除される制度があります。「もしも」があったら免除されるってことですね。詳細ページ死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除 - JASSO

 

 ちなみに延滞した場合は機関に応じて段階的な働きかけがあるそうです。急に裁判とか差し押さえとかにはならないってことですね。

 

多くの人に正しいことを知ってほしい

 どうですか?巷で言われている悪い評判のほとんどが誤解や思い込みではないでしょうか。

 

 そりゃ、住宅ローンが組みにくいとかのデメリットはありますよ。性質は借金と同じですから。でもね、クソとか悪徳とか闇金とか言われるほど、奨学金っていうシステムそのものが悪いわけではないんです。借入金額に相当すると感じられない大学教育、月1.5万円の返還を重く感じてしまう卒業後の給与、奨学金に頼らざるを得ない家庭が多くなってしまっていることがよくないんですよ。

 

 もちろん、奨学金のシステムが悪くないと言っても、今の制度では借金には変わりありません。月々は数万円でも4年分にもなると数百万円になります。大金を借りてまでそこに進学したいのか、将来返済していく覚悟はあるのかなどをよく考えて借りるべきです。借りなくて済むのならそれがいいですよ。

 

 

 経済的に余裕がなくても、これらを知らないままで進学や今の生活を諦めないでほしい。そういう人に正しい情報が伝わりやすくなるためにも、どうかイメージや思い込みだけで叩くのは辞めてほしい。これがこの記事を書いた目的です。

 

 何か間違いやご指摘がありましたら、Twitterもしくはコメント欄に頂けると有難いです。宜しくお願いします。