こんにちは、さんだです。
前回は各都道府県ごとに医学生の数と初期研修医の定員の数を調べてみました。
今回は、実際にどれくらいの初期研修医がいるのかを医学生の数と比較したいと思います。「比較して何になるの?」とかは言わないでね。僕が楽しいんだからそれでいいんです。
都道府県ごとの新卒数と初期研修医マッチング数
数字は2017年度のものです。
データは第112回医師国家試験合格状況 | 医師国家試験対策予備校、模擬試験、ネット講座のテコムと厚労省のページより。
この表では、各都道府県ごとの新卒医師国家試験出願者数と初期研修医マッチング数の比較を載せています。どれだけ輩出するか、ですから、新卒医師国家試験出願者数は各都道府県の医師の養成する量でだと考えています。
マッチング数はそのまま「その都道府県にどれだけの初期研修医がマッチングしたか」を示しています。
この2つの値を「マッチ/新卒」という値にすることで「医師の確保が教育コストに見合うかどうか」を見れるのではないかと考えました。この値が1より大きければ「教育した量より確保する医師の人数の方が多い」ということであり、1より小さければその逆です。赤字は1より小さい都道府県、つまり「教育した分よりも医師が確保できていない」ことを示しています。
ちなみに、医師国家試験未受験者や不合格者は考慮してません。
ランキングがこちら
半分以上が赤、つまり新卒数/マッチ数が1以下となりました。
地方が都市部への供給を支えている?
数値が一番大きかった千葉県。この年は100人輩出して、389人の初期研修医が県内で働くわけですから、すごいですよね。
対して5割を切っているのが8県もありますね...。この8県では1年に100人教育したとしても、初期研修医で県内で働くのは50人以下。しかも都会ではなく、地域枠を設定しているような大学ばかりです。そりゃ面接で「将来は県内に残りますか?」って聞きたくもなりますよね。
ただ医学部の定員は国によって決められているわけです。人口が多い都会ばかりで教育すると、地方に医師が今よりも行かなくなる可能性、都会の方が教育コストが高いなどの問題も出てくるでしょう。そう考えると地方医学部が地域枠で自県の医師を確保しながら、都会への医師供給の一部を担うというのも分かる気がします。でも、教育する先生方にとってはつらいことかもしれませんね。
まとめ
まぁ医学生の立場から言うと、なんとなく気持ちはわかるんです。確かに地方の方が給与はいい傾向にあるのだけど、都市部の方が何かと便利です。指導医も多いでしょうから教育を受ける機会も多いでしょう。最先端のものも地方よりは都会に多い印象があります。ただ都市部の方が良い研修が行えるか、というのは全くの別問題なんですよね。
今回は初期研修に絞って比較してみました。次回はこの初期研修医が専門研修として地域に残るのかどうかを検証してみたいと思います。